いちばん多い失敗は、いきなり「署名してください」のメールを送ってしまうことです。
取引先が止まる理由は、反対というより「怖い」「分からない」「社内で確認が要る」がほとんど。
だから先に、角が立たない“言い方の型”を用意しておくのが近道です。
角が立たない3パターン(結論)
結論はこれです。「お願い」ではなく「選択肢」と「安心材料」を渡す。
使う言い方は、次の3つを状況で切り替えるだけでOKです。
| パターン |
向いてる場面 |
狙い |
| ① 事前打診 |
初めての取引先/久しぶりの相手 |
「怪しい」を消して、社内確認の時間を作ってもらう |
| ② 署名依頼(短文) |
相手が慣れてる/急ぎ案件 |
読まれる文章量に落として、迷わず動ける形にする |
| ③ 不安つぶし1行 |
押印・法的効力・セキュリティが気になりそう |
“説明”ではなく「安心の一言」を先に置く |
ポイント:相手を説得しようとすると長文になって止まります。必要なのは「安心材料+次にやること」を短く出すことです。
テンプレを使う前の「前置き」3つ
電子契約のお願いが通りやすくなる前置きは、実は3つだけです。
- 件名を固定する(毎回ブレない):相手の迷惑メール判定や「怪しい」を減らせます。
- 「無理なら紙でもOK」を添える:相手の心理的ハードルが下がり、返事が返ってきやすくなります。
- 手順は2行まで:相手がスマホでも読める長さにします(3行目から読まれにくいです)。
メール文テンプレ(そのままコピペOK)
ここからは、社内でテンプレとして置いておける文章です。
「件名+本文」で用意してあります。
① 事前打診(いちばん角が立たない)
| 件名 |
【ご確認】契約書の締結方法について(電子契約の可否) |
| 本文 |
お世話になっております。契約書の締結につきまして、郵送ではなくオンライン(電子契約)での締結も可能でしょうか。
可能な場合は手続き用のメールをお送りします。難しい場合は、従来通り郵送で進めますのでお知らせください。
よろしくお願いいたします。
|
狙い:相手に「選べる余地」を渡すと、返答率が上がります。いきなり署名依頼を送らないのがコツです。
② 署名依頼(短文・手順2行)
| 件名 |
【契約書】ご署名のお願い(オンライン締結) |
| 本文 |
お世話になっております。契約書の締結につきまして、オンライン(電子契約)でお手続きをお願いいたします。
本メール(またはリンク)から内容をご確認いただき、画面の案内に沿ってご署名ください。
ご不明点があれば本メールへご返信ください。よろしくお願いいたします。
|
コツ:「どこを押すか」を説明し始めると長くなります。相手が迷ったら返信できる導線を残すだけで十分です。
③ 不安つぶし1行(相手の心配が見える時だけ追加)
文章の最後に、次のどれか1行だけ足します。足しすぎると逆に止まります。
- 法的効力が心配そう:「署名・確認の履歴が残る形で締結できますので、後から確認もしやすいです。」
- メールが怪しまれそう:「事前にご案内している締結メールです。不審点があれば本メールにご返信ください。」
- 社内回覧がありそう:「署名者のご指定が必要でしたら、社内の決裁者様へ転送いただければ手続きできます。」
断られにくくする小技(相手の不安別)
| 相手の反応 |
返し方(短文) |
| 「押印がないと不安で…」 |
「郵送も可能です。まずは電子で進められるかだけ確認させてください。」 |
| 「社内ルールで紙で…」 |
「承知しました。紙で進めます。今後もし電子でもOKになったら教えてください。」 |
| 「このメール本物?」 |
「事前にご案内した締結メールです。不安があればこのメールに返信ください。」 |
ポイント:勝ちに行く返しより、「相手が責任を取りやすい言い方」を優先するとスムーズです。
質問と回答
Q:電子契約って、お願いすると失礼に見えませんか?
A:見えません。むしろ「郵送の手間を減らしたい」という合理的な理由が伝わります。大事なのは無理なら紙でもOKを添えることです。
Q:説明を求められたら、何を言えばいい?
A:長く話すより、「履歴が残る」「手順は画面の案内通り」「不明点は返信でOK」の3点だけで十分です。
今日やること(Step1-3)
Step1:社内テンプレとして「事前打診」を固定(件名も固定)
Step2:署名依頼は2行手順の短文で作る
Step3:不安つぶしは1行だけ、相手に合わせて差し込む
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